【導入】
スウェーデン お金 価値観 の違いは、生活してみると想像以上に大きいと感じます。将来のためにコツコツ貯金する人は少数派ですが、その一方で“住宅購入の頭金”のために貯金する人はとても多いように感じます。私の周りを見るとスウェーデンでは、賃貸アパートが日本のように簡単に借りられず、家を買うほうが現実的な選択肢になることも背景にあります。
どちらが正しいという話ではなく、 文化や社会制度の違いが、そのまま“お金の使い方”に表れている ということを日々感じています。
この記事では、私がスウェーデンで暮らして実際に感じた お金の価値観の違い を、体験ベースで紹介します。
① スウェーデン人は「貯金より今を楽しむ」

スウェーデンで暮らしてまず驚いたのは、 多くの人が貯金をほとんどしない ということです。
- 給料はほぼ全部使う
- 旅行・外食・趣味に積極的
- 「人生は今を楽しむもの」という価値観が強い
日本の「将来のために貯める」という文化とは真逆です。
ただし、これは浪費ではなく、 貯金しなくても不安が少ない社会制度 が背景にあると思われます。
② 社会保障が手厚く、将来不安が少ない
スウェーデンは高福祉国家として知られていますが、 実際に住んでみるとその手厚さを実感します。
- 医療費は年間上限あり(子どもは無料)
- 失業保険が強い
- 育児休暇が長く、給付も手厚い
- 年金制度が比較的安定
- 成人でも学費が無料で、学び直しがしやすい
私自身も「大人の学び直し制度」を活用し、 転職をするために専門学校に通いました。
こうした制度があるため、 「貯金しないと不安」という感覚が日本より圧倒的に弱い のです。
③ 住宅ローンの考え方が日本と真逆
はじめに触れたように、スウェーデンでは“家を買うための貯金”が一般的ですが、その背景には住宅ローン文化の違いがあります。このテーマは深いので、詳しくは別の記事でまとめようと思っていますが、ここでは大まかな特徴だけ紹介します。
- 長期ローンが普通
- 利息だけ返す期間(amorteringsfritt)がある
- 返済を急がない
- 「家は資産」という考えが強い
「家は資産」という考えが強いのは、住宅価格が長期で右肩上がりに上昇してきた背景があり、資産管理の一環でアパートや家を買う傾向がある。この点は、日本とは大きく異なります。
※住宅ローン等に関しては、まだ勉強中なので詳しくは別のブログの記事で発信していく予定です。
④ 投資文化が強い(株式保有率が高い)

スウェーデンでは、投資は特別なものではありません。 むしろ、「投資していない人の方が珍しい」という感覚に近いです。
- 成人の約70%以上が株式や投資信託を保有
- 若い人でも普通に株を買う
- 貯金より投資が一般的
- 投資リテラシーが高い
実際、EU 全体では家計の金融資産の半分以上が銀行預金に置かれているのに対し、スウェーデンでは長期投資が圧倒的に主流です。 Fondkollen の調査によると、73%のスウェーデン人が私的な投資信託を保有し、年金制度まで含めるとほぼ100%が何らかの形で投資をしているとされています。
Fondkollen の調査によると、73%のスウェーデン人が私的な投資信託を保有し、年金制度まで含めるとほぼ100%が何らかの形で投資をしているとされています。
(参考:Fondkollen「Svenska sparare inspirerar européer」/発行日:2025年9月4日)
https://fondkollen.se/allmant/svenska-sparare-inspirerar-europeer/
さらに、スウェーデンの株式市場(OMXS30)は長期で右肩上がり。 “投資で資産を育てる”という価値観が当たり前になっています。 日本でいう NISA のような制度もあり、これが投資文化を後押ししていると感じます。
⑤ 年金の現実を知り、投資への意識が一気に変わった
私が投資に強いモチベーションを持つようになった大きな理由が、 スウェーデン年金庁で将来年金を試算したこと でした。
結果は、 スウェーデン人の平均的な年金水準を大きく下回る という現実。
この瞬間、 「自分の将来は自分で守らないといけない」 と強く思いました。
⑥ 転職こそ年収アップの最短ルートだと理解し、挑戦したが…
私は年収を上げる最も現実的な方法は「転職」だと理解していました。
だからこそ、 IT関連の仕事に就くために専門学校で学び、 在学中から 数百社に応募 しました。
しかし、不況とAIの急速な発展も重なり、 未経験からの転職は非常に厳しいものでした。
この挫折は精神的にも大きく、 数か月は何も手につかないほど落ち込みました。
⑦ スウェーデンで暮らして変わった「お金の価値観」
スウェーデンで生活する中で、私の価値観も大きく変わりました。
- 無駄遣いはしないが、必要なものにはお金を使う
- 時間の価値をより強く意識するようになった
- 「貯金=正解」ではなくなった
- ただし、日本人としての堅実さも大切にしている
ここでいう“堅実さ”とは、お金を使う前に「これは本当に必要か?」と立ち止まる感覚です。 スウェーデンで暮らすようになってからは、何かを買うときに 「自分の時給で何時間働く必要があるか」 を瞬時に考えるようになりました。 この習慣があることで、無駄な買い物は自然と減り、必要なものには迷わず投資できるようになりました。
結果として、“日本の堅実さ × スウェーデンの自由さ” というバランスの良い価値観に落ち着きました。
【まとめ】

スウェーデンと日本では、お金に対する考え方が根本から違います。 スウェーデンでは「今の生活の質を大切にする」価値観が強く、投資や社会保障を前提にした“ゆるやかな長期視点”が一般的です。 一方、日本では「将来の安心」を重視し、貯金を中心にした“堅実で計画的な資産管理”が文化として根づいています。
もちろん、どちらが正しいという話ではなく、あくまで私がスウェーデンで暮らして感じた価値観の違いです。 文化や制度、生活環境が違えば、お金との向き合い方も自然と変わっていくのだと思います。
そして私は、スウェーデンでの生活と年金の現実を知ったことで、 「自分の将来は自分で守る」という意識がより強くなりました。 この気づきが、今も資産形成を続けている大きな理由です。